ご覧頂きまして有難うございます。マッサージチェアアドバイザーの神坂です。

今回はお困りの方も多いと思われるマッサージチェアの合皮の劣化についてのお話です。

特に

ファミリーイナダ製のマッサージチェアやスライブ製のマッサージチェアに多い症状だったりするのですが、今回はちょうどファミリーイナダのマッサージチェアに関する情報が手元にありますのでお話ししたいと思います。
※機種によってパナソニックやフジ医療器の製品でもこうした合皮の劣化が起こる場合があります。

「合皮の劣化」って何？と思われる方も多いかも知れませんが、今回お話するファミリーイナダのマッサージチェアに関しては比較的よく耳にする状況ですので、既にお困りの方も現在ファミリーイナダのマッサージチェアをお持ちで綺麗な状態を維持されている方も是非読んで頂いて参考になさって下さい。勿論、これからマッサージチェアをご購入される方にもお読み頂きたい内容となっております。

実は当社への買取依頼や引き取りのご相談などの際にもよく耳にするのですが、使っている内にヘッドレストや背もたれカバーが剥がれてきてしまっている・・・という状況のマッサージチェアがファミリーイナダやスライブのマッサージチェアには多いのです。

トップの写真（白のマッサージチェア）はファミリーイナダ製の品物なのですが、ご覧頂いて分かる様に擦れてボロボロになっています。

こちらはスライブ製のマッサージチェアですが、やはり同じような感じで合皮の表面が剥がれてしまっています。

手触りの感触を追求したせいか、合皮が薄く柔らかいので使用頻度によっては擦れに耐えられずにこうした状態に劣化してしまうのです。

症状の進行に一定のパターンがありますのでお持ちのマッサージチェアに照らし合わせて現状の確認をまず行ってみてください。

合皮劣化の進行パターン

合皮の劣化に関してですが、主な進行パターンがある程度判明しております。ざっくり３段階に分かれますのでご説明していきましょう。

１．合皮表面の浮き上がり又は強い折り目が現れる

上の写真でご覧頂けるかと思いますが、一部「水ぶくれ」の様な浮き上がりや強い折り目が発生しているのが分かりますよね？

この水ぶくれや強い折り目はいずれも劣化の初期症状にあたります。

元の表面の圧着が弱かった可能性も極稀にありますが、基本的には使用を重ねることによって擦れて表面が剥がれだしている感じになってきます。

本来であればこうなる前に表面の保護を行いながら使用するのが望ましいのかな？と思います。具体的には使用時はジャージの様な柔らかい素材の衣服を上下で着て、更に大きな柔らかい布をマッサージチェアの上に掛けて、その上に体を乗せるなどですね。

そうすることにより多少摩擦が軽減されて合皮が長持ちする事があるようです。この方法は以前ＦＭＣ－Ｓ３３０をご売却頂いたお客様が実際に行っていた方法なのですが、使用回数が少なかったとは言え、合皮の状態は非常に良かった印象があります。

２．ひび割れの発生

続いての進行症状ですが、水ぶくれや折り目から「ひび割れ」が発生します。

稀に水ぶくれ症状や折り目症状を経ないでこうしたひび割れが発生する事もあります。下の座面の写真がそうなのですが、これはいきなりひび割れが発生した状況です。

こうしたひび割れが始まると、トップの写真の様な剥がれの状態まですぐに到達しますので要注意となります！ヒビ割れのチェックを行いたい場合は、折り目の部分を両手で優しく開くようにチェックしてみて下さい。折り目に沿ってひび割れている事が確認出来るケースが多いです。

剥がれの発生

最後の段階はもうどうにも出来ない「剥がれ」の発生です。一度この状態になりますとそこから剥がれの範囲が広がってしまいます。

ひび割れた所から徐々に表面がポロポロと落ちたりしていきますので、その剥がれた合皮が衣服に付いたり床に落ちたりと掃除も面倒です。

こうなる前に先ほどお話した対処法を実行される事をお勧め致します。

実際にこうなってしまってからでは正直「買取」は難しいです。比較的新しい機種であれば多少の金額が付く場合もありますが、既に発売開始から５年以上が経過している場合などはかなり厳しいです。

当社でこうした状態のマッサージチェアを買取・引き取りした場合、実は合皮カバーの新品交換を行っています。かなり費用は掛かるのですが、合皮の状態が悪いと中古市場で買い手が付かないのです・・・。その為費用を掛けて背もたれカバーなどを新品と交換してから再販させて頂いております。

その新品の交換カバーも機種によっては品薄の状態になってきておりますので、ある程度年数の経過した機種に関しては引き取り自体が難しいのです。カバーの交換が出来ない可能性がありますからね・・・。

カバー交換の費用はどの程度？

※写真はＦＭＣ－Ｓ３３３です。

さて、既に合皮がどうにもならない状態になってしまっている方にとっては使う事自体、躊躇してしまうかと思いますが費用を掛ければ前述の通り新品のカバーに交換が可能な場合があります。

メーカーの在庫状況にもよりますが、在庫があれば交換の依頼を掛ける事も出来るのです。

交換した後は柔らかい衣服を着て、マッサージチェアにカバーを掛けて利用する事で合皮の状態は少しでも延命出来ますのでご検討ください。

という事で早速気になる交換費用をお教えしておきましょう。

直近の実績で振り返ってみますと・・・

ヘッドレストの交換

部品代として大よそ４，０００円～１万円程度が掛かります。マジックテープでの脱着が可能な簡単な構造のものの他にエアバッグ内臓の物など様々なタイプがありますので値段もマチマチです。

エアバッグ内臓の場合は確実に交換工賃と出張費も加算されます。そうした諸費用は場所にもよりますが１万円前後になるのではないか？と思います。

詳細な見積もりはメーカーに各自でご確認下さい。機種やお住まいの場所によって異なってくるかと思います。

背もたれカバーの交換

こちらは面積が大きいので部品代のみで１５，０００円～２万円の費用が掛かります。その他諸経費に関してはヘッドレスト同様です。

ヘッドレストよりもエアバッグ内臓の物が多いと思いますのでご自身での装着は厳しいかも知れません。恐らくメーカーも部品だけ送ってくれることはしないのではないか？と思います。

こうして費用を見てみると決して安価ではないですね・・・それだけに合皮の状態で買取に関しても評価が大きく変わります。尚、トップの画像の様なボロボロの状態であった場合は買取出来ません。

既に水ぶくれや強い折り目が出てきているだけでも査定額はかなり下がります。その状態になってしまっているという事はボロボロになる直前という事になる為です。

逆にそうした症状が全く出ていない場合は高価買取が期待出来ます。

尚、合皮が痛んでいる場合には別のポイントとして他の箇所が綺麗かどうか？が大きなキーとなります。

合皮パーツを交換しても、例えば手を置く部分が汚れているなどする場合は合皮パーツを交換する意味があまり無くなってしまうからです。

合皮以外の部分が綺麗な状態であれば、当社でパーツの交換を行って再販出来る、すなわち買取や引き取りが可能になる場合がありますのでご相談下さい。

また、合皮の要交換部分が少ない場合も対応の幅が多少広がる可能性があります。例えば「座面は剥がれが出ているけど、背もたれカバーとヘッドレストは元から外していたから綺麗な状態」といったケースであれば座面のみの交換で新品に近い外装になる事が予想されますので当社としても可能な限り対応を広げています。

ファミリーイナダやスライブの全ての機種がこうした合皮の問題を抱えている訳ではありませんが、一定の期間に開発・販売された機種にはこうしたリスクがありますので、扱いには十分に注意しておいて下さい。